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開発者の想い

【連載インタビュー企画①】2022年度の高山は、何を目指すのか?

高山医療機械製作所の若手エンジニアが社内外の関係者へのインタビュー新企画。第一回目は、製造1課樽山が高山に2022年度の高山医療機械製作所について、聞いてきました。

 

インタビュアー樽山(以下、インタビュアー):
高山医療機械製作所の2022年、社として目指すところを聞かせください。

高山社長(以下、高山):
この1年は、脊椎システム、頭蓋プレートシステム、それらの上市。そして、最近、東工大の尾崎先生から依頼された循環器。

インタビュアー:
循環器は初耳でした。

高山:
持針器とか、循環器はほぼ輸入品だから、うちの試作品を持っていったら「国産でこんなにできるのはすごい」と尾崎先生に気に入ってくれたのがきっかけ。他の先生方からも、いつ販売かと質問されたり、反応がいい。今回の循環器のような、もともと狙っていなかった領域でも、このように少しスピード感をもって取り組んでいきたい。

インタビュアー:
脊椎分野は、なぜ参入しようと思ったんですか。

高山:
実は、脊椎はもともと昭和医科工業さんとやっていた。15、20年ぐらい前かな。だから一通りの製造技術が社内にあって、インプラントも作れる設備もあった。これまでいろんな会社とやってきて、サキュラというシステムを開発・製造したこともあった。でも、自分たちで製造して市場に参入した方が早いと思い立ち、昭和医科工業の元社長の織部さんと組んで本格的に始動させた。

インタビュアー:
脊椎分野を高山が自前で作る時、何が強みになりますか。

高山:
まだまだ先生方と改良中だけど、装着工具の使いやすさと生体活性化コーティングを強みに市場参入したいと思っている。三重大、福島医大、慈恵、東京医科歯科大と、こちらもスーパーバイザーの織部さんが多くの先生に話してくれて、協力を取り付けることが今できている。

インタビュアー:
各々の病院で概念検証をして、磨いていくんですね。

高山:
多くの先生方、そして医大の協力は本当にありがたい。あと、日本で側弯症を1300症例も執刀してきた鈴木信正先生も今うちで勉強会をやってくださったり、小さい会社なのに本当に恵まれていると思う。

インタビュアー:
鈴木先生の勉強会には私も参加しています。医師がどの点を気にしてるのか。工場で製品を作ってるだけでは絶対にわからない気づきが本当に多く、ためになります。

高山:
医師から声に耳を澄まして、学ぶ。この仕事の出発点。繰り返しになるけれど、貴重な時間を割いてくださる先生方には感謝しかない。期待に応え続けていきたい。

インタビュアー:
海外はどうですか?

高山:
開発案件とサクションイリゲーション。特にサクションイリゲーションは、約50カ国に向けてのサンプル出荷がいよいよ始まる。

インタビュアー:
コロナ禍で止まっていた件がついに動き出しましたね。

高山:
コロナの2年は長かった。けれど、その間にサクションイリゲーションも様々なバリエーションを試作して小型化できた。完成度も格段に上がった。新しいパンフレットもできた。

インタビュアー:
コロナ禍の準備が身を結びましたね。それから、ホームページのブランドムービーがアップされました。そこに、Life Devicesという新スローガンが登場しました。そこには、高山医療機械製作所の使命は、命の可能性を広げること。切る。つかむ。止める。そんな医療器具として、あたりまえのことを越えて、先天性、後天性を問わず、現状治療が困難とされる領域に技術の力で挑んでいます。と書かれています。

高山:
注力分野の頭蓋プレートは、特にそう。先生との話の中で、頭蓋プレートを止めるネジの出っぱり、それからプレートそのものの角で皮膚にダメージを与えるケースがあると知って、そこからテーパーで仕上げてダメージを与えない、よりロープロファイルなデザインを着想した。せっかく手術で動脈瘤の処置がうまくいっても、閉頭後、合併症が出ることがある。多くの場合、若い先生が閉頭を担当するので、プロダクト側がそこをフォローできればいい。Life Devicesの、命の可能性はそんなイメージ。

インタビュアー:
改めて、普段から医師の言葉を聞き逃さないことが重要と身が引き締まります。先程の話は、閉頭時に、普通の頭蓋プレートだとネジが引っかかるイメージであってますか?

高山:
角が90度で立ち上がっていたら上から触ると引っかかるでしょ?でも勾配がついていたら閉めるときに上の皮膚にも優しい。

インタビュアー:
閉めるときに傷つけちゃうことが多いのですか?

高山:
その時ではなく2、3年すると出てくる。後でわかる。

インタビュアー:
患者さんは知る由もないですね。

高山:
頭蓋プレートや、あと側弯症(※)も、体内に入って、患者さんの成長とともに生き続けるプロダクトをうちは作っている。そういった意味において、人の人生に寄り添うという意味も、Life Devicesに込められている。

インタビュアー:
Life Devicesのコピーの部分に、医療器具は、患者の命に触れ、時には体内で共に生き続けるものだから。と、も書かれていますね。

高山:
脊椎分野は、10年で一度リニューアルされるような領域だから、今、1つプロジェクト立ち上げても、この仕事のキャリアが30年とすると、一個人では、たった3回しかリニューアルに立ち会えない。でも、企業として継続することが使命となる。データベースとなって、どんどんアップデートしていく。特に、脊椎に関わるからには100年はちゃんと続けられる企業でありたいという決意もLife Devicesに投影している。

インタビュアー:
命であり、人生であるLifeに関わるDevicesなんですね。手術室で脳外科医に使ってもらうことで機能することが多かった高山の製品が、これからますます手術室を出た後の機能も要求されるこということが今日よくわかりました。

高山:
そうだね。両方に共通するのは、先生方に自分たちが持てる技術を提案すること。どこにも負けない創意工夫と機能があること。これからも先生方に頼りにしてもらえる専門家集団でありたいね。

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