
Micro Forceps
”上山式剪刀ムラマサ”をベースにさらなる切れ味を追求し、その証としてプレミアムなブラック塗装を施したモデルです。日本の伝統的な”刀”を参考に作られた超薄型の曲がり刃(側弯)形状が、素晴らしい切れ味と操作性をもたらし、術野の確保にもつながります。また、現存するステンレスで最高硬度(HRC67)の材料を使用。組織が荒く、刃こぼれが多いという欠点は、DLCコーティングで解決しました。高い強度の被膜が刃物を摩耗から守り、初期状態を維持させます。切れ味、長寿命の両立を実現しました。
Micro Forceps
Micro Scissors
Micro Dissector
側弯形状のはさみは、通常のはさみと切る原理が全く異なります。側弯形状は、下刃の長さが上刃よりもわずかに長くなるため、被切物に下刃が長く切る作用をし、同時に刃が持つRにより、刃を「引く」作用が生じます。この原理によって、メスで切ったときと同じ切れ方をするのです。しかも、メスでは力の加減で切りすぎてしまう恐れがありますが、ハサミ形状ならば刃の交差部の長さしか切れないので、安全に作業ができるのです。
本シリーズでは、メス屋を創業した曾祖父の修行先であった石川六郎が生み出した、刃先を超薄型にする研磨技術「凹み磨き」が施されています。従来の替刃メスや日本刀のような刃先が直線的に尖る断面とは異なり、凹み磨きでは、刃先に向かってえぐるような断面に研ぎ上げます。これにより、切る際に刃先のみが被切物に当たるため小さな力で切ることができ、切った組織を痛めづらいというメリットもあります。円尖刀(えんじんとう)と呼ばれるこの繊細な断面は、機械には作ることができません。実際に出荷する製品には、社長自らが代々受け継いできた凹み研ぎを行っています。